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✒️Christmasser
西尾 彩
今月はクリスマスがあるではないか。
クラブ小川では基本的にあまり
イベントが無いので
年末と忘年会というワードに気を取られて
すっかり忘れ去っていた。
と言うのは言い訳で
私は大人になってから
クリスマスらしいクリスマスを
過ごした記憶がなく
いつしかクリスマスを
自ら遠ざけるようになっていた。
クリスマスの日も関係なく
バイトに入るのは普通で
帰りも遅く
恋人がいるわけでもなく
いつも通りのご飯を食べ
いつも通り風呂に入り
いつも通り次の日も仕事に出た。
そう、一番の原因は多分、
恋人がいないことだ。
全くいなかった訳ではないが、
なぜかクリスマスまでには
必ず関係が清算されており
クリスマスに至らないのである。
私は前世で何かしたのだろうか。
どんな業を背負ったら
恋人とクリスマスを過ごせなくなるのだろうか。
分からないが、
そんなことは考えても仕方がない。
仕方がないが、
羨ましいものは羨ましい。
そのうち段々、
イルミネーションだけでなく
クリスマスの街を闊歩する人々までもが
キラキラして見えてきた。
悔しくなった私は
皮肉と羨望の気持ちを込めて
クリスマスにクリスマスを楽しまんとする
人々の事を『クリスマッサー』と名付けた。